楽器紹介 - 概略

KMC―慶應義塾大学公認学生団体マンドリンクラブで使用している楽器の紹介です。
※本内容は旧サイトのままであり、目下内容の充実を計画しております。

マンドリン

マンドリン

現代のマンドリンは、17世紀中ごろに初出し、19世紀中ごろに近代化されたナポリ型マンドリンという、ヴァイオリンと同じに調弦された、イチジクを縦割りにしたような形の胴を持つ楽器です。 演奏の際には、べっこうやセルロイドで出来たピック(爪、プレクトラム)を用います。その音色は構造上実に多彩で、低音部は比較的やわらかい音色を持ち、また高音部は華麗で透き通った音色を持っています。 高音に上がるにしたがって緊張感を増し、より通る音になっていきます。 このためマンドリンは様々な表現が可能で、特に劇的な盛り上がりはこの楽器の最も得意とするものです。 マンドリンは、その音色、表現の豊かさなどから主として旋律を担当することが多く、マンドリン合奏の中核に位置付けられる楽器です。

マンドラ・テノール

マンドリン、マンドラ・テノール、マンドロンチェロ

マンドリン属の原型マンドーラに大きさが近いことからこの名が付きましたが、中世のものとは構造も調弦も異なるものです。 現代のマンドラはマンドリンよりも1オクターブ低く調弦されています。 その音色は豊かで厚みがあり、その表現力はマンドリンをも凌ぐものです。 合奏では主に中音域を担当し、合奏に厚みを与え、表現をより豊かにする役目を持っています。

マンドロンチェロ

マンドロンチェロは、ヴィオロンチェロと同じ調弦をした楽器で、その音色はマンドリンやマンドラとは一味違う落ち着いた深みを持ち、より広大な表現を可能としています。 主にマンドリンやマンドラでは表現しがたい迫力や落ち着いた深みを合奏に付与し、軽薄になりがちなマンドリン合奏に広がりを持たせ、合奏の基盤を支えて合奏を安定させる役割を果たします。

ギター

ギター

ギターは元来、腸や絹で出来たガット弦を張った繊細な楽器でした。 しかし、それでは金属弦を持つマンドリンとの合奏で使うには音が弱すぎて埋もれてしまいます。 そこで、ヴィナッチアという楽器職人がマンドリン合奏ために、ギターに金属の弦を張って音を強くし、その金属弦に負けないようにネックを強化したマンドリン合奏用のギターを開発したのでした。 主にマンドリン合奏では伴奏を担当することが多いのですが、単なる伴奏楽器にとどまらず、その奏法の多彩さによって合奏に様々な効果をもたらし、その表現をより多彩なものにするといった重要な役割を果たしています。 マンドリン合奏のよきパートナーといえるでしょう。

ベース・管楽器・打楽器・その他

ベース

それまでマンドリン合奏においては、撥弦4部や撥弦5部が主流でしたが、1920年代に入ると次第に大きな編成を要求するマンドリン曲が現れ始め、やがて管楽器や打楽器などを編成に組むような曲が現れ始めたのでした。 一方、管弦楽曲をマンドリン合奏に編曲して演奏をする動きもこのころから見られ、次第に合奏団にフルート、クラリネットなどの管楽器、ティンパニー、スネアドラムなどの打楽器、低音部を補助するマンドローネ、コントラバスなどが常備されるようになりました。